プロ講師による指導実例!

私(アクセス中学受験プロ講師責任者 中西俊一)が、6年生の春の時点ではとても慶應湘南藤沢中等部に合格できそうもない生徒を合格へと導いた実際の記録として、T君(仮名)の家庭教師として指導を行った実例をご紹介したいと思います。

T君は早稲田アカデミーに通う新6年生(指導開始時)の生徒で、指導を開始した時点で既にT君自身は慶應湘南藤沢中等部への進学を強く望んでいましたが、その時点でのT君の成績は4科目総合偏差値が50台の半ば(四谷大塚の組み分けテスト)という状況で、このままではとても慶應湘南藤沢中等部には届きそうもないのが現状でした。

T君は4科目の中でも国語を特に苦手としており、それが他の科目の足を引っ張っていましたので、まずは国語が苦手な原因の分析から取り掛かりました。
その結果、T君は国語の文章題を自己流にただ何となく読んでいるだけで読んだつもりになっており、また問題の解き方も自己流で、選択問題なども自分の感性でこの選択肢が正解と思うからこれを選ぶというような選び方で解答していたことが判明したのです。
こういうタイプの生徒は、往々にして間違えた問題の復習でも解答解説に正解がこう書いてあったからこの答えだ、というふうにただ答えを覚えていて、それで復習したつもりになっていることが多いのです。

プロ講師は国語の弱点をどう対策するか

そこで私が行った対策の一つ目は、文章構成別読解法と名付けた方法を指導したことです。
この方法は国語の文章を自己流に読む方法ではなく、作者の意図に素直に従い内容をきちんと把握するための読解方法です。
具体的には、まず国語の文章を大きく説明文・論説文・随筆と小説・物語文との二つに分け、それぞれの文章ごとによく見られる構成や文章の形、内容のパターンを覚えさせ、文章を読むときにどのような点に注意しながら読めばよいのか、どこに線を引いたり印をつけたりすれば良いのかを教えた上で、受験国語の読解テクニック 実戦問題集 (シグマベスト)という教材を使い様々なタイプの文章でその読解方法を訓練させるということを行いました。
この訓練により、T君の文章の読み方の精度は格段に向上し、内容の把握の度合いや読解に要する時間にも改善がみられるようになりました。

しかしせっかく文章を読む力が向上しても、問題を自己流で解いていたのでは正解にはなかなかたどり着けません。
そこで対策の二つ目として、問題パターン別理詰め解答法という方法の訓練を行いました。
この方法は、国語の問題も感性で解くのではなく、算数と同じようにパターンごとに理詰めで正解を求めるための方法で、選択問題、穴埋め問題、書き抜き問題、記述問題など問題形式や設問内容ごとに問題をパターン化し、パターンごとに、こうだからこれが正解、こうだからこれは不正解と理詰めで正解を見つけることができるようにする学習方法です。

これらの対策を続けていった結果、もともと理屈っぽかったT君は理詰めで国語の読解問題を解くことができるようになっていき、選択問題だけでなく、今までは空欄の多かった記述問題でも得点できるようになってきて、国語の成績は期待通り向上してきました。

算数で安定して好成績をとる方法

国語の目途がついたところで次に目立ってきた問題点は、算数の成績が安定しないということでした。T君は算数の成績が良い時は偏差値が65を超える時がありましたが、逆に悪い時は40台になってしまう事もあり、成績の変動が激しかったのです。この原因は、T君が図や表を書いて整理しながら考えるという作業を面倒がって怠っていたことにありました。
そのため、たまたまそのような作業をしなくても解けるような問題が多く出題された時は成績が良く、反対に問題を分析したり様々なケースを調べたりしないと解けないような問題が多く出題された時には悲惨な成績になってしまうのです。

そのような状況を見て私が行ったことは、段階順問題図式化分析法という訓練です。これは少しずつ段階を追って、問題分析に必要な作図や作表の技術を身につけさせる訓練で、まず第一段階として私の描く図や表をまねして描かせる練習をさせることで図表を描く習慣を身につけさせ、図表を描くことに慣れてきたところで、第二段階として、この問題はどういう図を描いたりどういう表を書いたりすると解けるようになるのかを考えさせる練習を行い、第三段階としてT君自身に図や表を書かせることで問題の分析と解答までの筋道を見つけさせる練習を行わせるものです。
練習のための教材は、みくに出版のいわゆる「銀本」を使い、そこから私が選んだ問題を解かせながら訓練を行いました。こうした訓練を繰り返していくうちに次第にT君は問題分析力がついてきて、初めて見るタイプの問題でも解けるようになっていき、算数で安定的に得点できるようになったのです。

そして…!

慶應湘南藤沢の入試問題は難しい問題を解けることよりも、標準レベル位までの問題を早く正確に解けることが重要なので、9月になり過去問を行う時期になってからは、過去問をどういう時間配分でどの問題から取り掛かるべきかや解かなくてもよい問題(捨て問)はどれかを見極める訓練を徹底的に行い、短時間で1点でも多く得点する技術を習得させました。
また慶應湘南藤沢の入試では少しのミスが命取りになることがあるので、ミスを防ぐための問題の読み方や線・印の付け方、答案のチェックの仕方も徹底して訓練させました。

これらの訓練の結果、T君は入試本番では苦手の国語で7割以上の得点を挙げることができ、見事慶應湘南藤沢中等部に合格できました。これもT君が私の訓練にしっかりとついてきてくれ、絶対に合格するぞという強い気持ちを持ち続けてくれたからだと思っています。

慶應湘南藤沢対策にお勧めの教材


中学入学試験問題集 算数編(通称銀本)(みくに出版)
受験国語の読解テクニック 実戦問題集 (シグマベスト)
受験国語の読解テクニック 親ナビつき (シグマベスト)

まとめ – 慶應湘南藤沢に合格するための重要ポイント


●過去問は時間配分を的確に行う技術や捨て問を素早く見極める術を磨くために活用する。
●国語の独特の記述問題対策をしっかりと行う。
●ミスを防ぐための効果的な問題の読み方や線の引き方、印のつけかた、チェックの仕方を身に付ける。
●解法を見つけるための問題分析力や作図力を習得する。

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