プロ講師による指導実例!

私(アクセス中学受験プロ講師責任者 中西俊一)は、毎年のように慶應付属中学へ生徒を合格させてきていますが、私がどのようにして生徒を慶應普通部へ合格させているのか、その方法の一例をここでご紹介したいと思います。ここ近年の実例として、K君(仮名)の家庭教師として指導を行った時のお話をさせていただきます。慶應普通部を受験される予定の方のご参考になれば幸いです。

K君はSAPIXに通う生徒で、塾のクラスはD(真ん中よりやや下)に所属する新6年生(指導開始時)の活発な男の子でした。
K君やK君のご両親は、私がK君の指導を開始した時点で既に慶應普通部への進学を強く希望していましたが、その時点でのK君の成績は4科目総合偏差値が49(塾内の組分け・入室テスト)で、正直な話このままでは慶應普通部合格はかなり厳しい状況にありました。
それでも私は受験指導のプロである以上、結果を出すことが私の使命であると強く肝に銘じ、K君やご両親の想いに必ずや応えてあげなければと決意したものです。

プロ講師は生徒の弱点をどう分析するか?

私が最初に取り組んだことは、K君の現在の学習現状を詳しく調べ、問題点とその原因を探ることでした。
これを私は精密検査と呼んでいますが、K君のテストの結果や答案の書き方はもちろん、塾での授業の受け方、塾の他の生徒や先生との関係、普段の家庭での勉強時間や使用教材、学習内容、学習方法、生活のリズムや勉強の時間帯、自由時間の過ごし方、学校での友人関係、家族関係、メンタルな面に至るまで可能な限り詳細に現状を調べ、問題点を洗い出します。

その結果、K君の現在の一番の問題点は国語の読解問題でしばしば点数が取れていないこと、またその原因は次に挙げることが大きな要因であることをつきとめました。
それは、K君の語彙力がかなり小さいことや、K君は文章中に難しい語彙があるととたんに文章全体が難しいと思ってしまうために、難しい語彙が多く出てくるような文章では問題を解く以前に拒絶反応が出てしまい、こんな問題は僕には解けないと弱気になってしまうということでした。

文章に拒絶反応を示す生徒…そこでプロ講師が行った対策とは!

そこで次に私が使った指導テクニックは、語彙活用力徹底強化法というものです。これは語彙の中でも特に感情や気持ちを表す心情語や、抽象的な概念をあらわす語句の意味や使い方を生徒に集中的に覚えさせて語彙力の強化を図るとともに、それ以外の語句で意味の解らないものが文章中に出てきた場合は前後関係や語句を構成している漢字などから生徒に意味を類推するようにさせるという訓練方法です。

具体的には、言葉力1200(学研)という教材を使い、そこに出てくる語句のうち私が厳選した語句を一つずつカードの表に書かせ、裏には語句の意味とその語句を使った例文を書かせて語句カードを作り、これをランダムな順番に並べて、表の語句を見てその意味が言え、更にその語句を使った例文が作れるようにするという訓練を繰り返し練習させるとともに、塾の教材を用いて、文章中に意味の解らない語句が出てきたときにその語句の意味を類推させたり、どの部分をヒントにすればその語句が類推できるのかということを徹底的に指導・訓練しました。

こうした訓練を繰り返していくうちに次第にK君は語彙力がついてきて、難しい語彙の多い文章題でも解けるようになっていき、国語に対する自信が出てきたのです。

プロ講師が教える理科対策

国語以外にも、K君は身近な出来事・現象を題材とした理科の問題も苦手としていましたが、よりによってこの類の問題は慶應普通部の入試で多く出題されるようなタイプの問題なのです。

塾の教材にも市販の教材の中にも身近な出来事に特化した問題集は無いようでしたので、私が行った指導テクニックは、中学入学試験問題集 理科編(みくに出版)から、身近な出来事や現象を題材にした問題をピックアップして、身近な出来事が理科のどの原理と結びつくのかや、どのように捉えていけば理科の問題として捉えることができるのかを考えさせた上で、問題を解かせる練習を数多く行わせるというものです。
その結果K君はそのタイプの問題への苦手意識が無くなり、点数を取るコツを掴みました。
また慶應普通部は身近な動植物に関する問題もよく出題されますが、入試問題ではカラーではなく白黒の図やシルエットで動植物が描かれているので、カラーの図鑑で学習していると色に頼って動植物を覚えてしまい、入試本番で戸惑ってしまう事もあり得ますので、自然図鑑(Do!図鑑シリーズ)(福音館書店)という白黒の本を使い身近な動植物やその観察方法を覚えさせるようにしました。

そして…!

9月以降は過去問を活用して慶應普通部の入試問題対策を徹底的に行いましたが、慶應普通部の入試では難しい問題を解くことよりも、標準レベル位までの問題を早く正確に解けることが要求されますので、過去問をただ解いて間違い直しをさせるだけでなく、過去問をどういう時間配分でどの問題から取り掛かるべきかや、解かなくてもよい問題(捨て問)はどれかを見極める訓練に活用し、限られた時間内で1点でも多く得点する技術を習得させました。
また慶應普通部の入試では少しのミスが命取りになることがあるので、ミスを防ぐための問題の読み方や線・印の付け方、答案のチェックの仕方も徹底して訓練させました。

こうして迎えた入試本番、K君は本人の予想で4科目合計で7割以上の得点を挙げることができ、無事慶應普通部に合格することができました。

慶應普通部対策にお勧めの教材


中学入学試験問題集 理科編(通称銀本)(みくに出版)
言葉力1200(学研)
自然図鑑(Do!図鑑シリーズ)(福音館書店)

まとめ – 慶應普通部に合格するための重要ポイント


●過去問は時間配分を的確に行う技術や捨て問を素早く見極める術を磨くために活用する。
●算数は途中式も書かせるので日頃から解答の書き方練習を怠らない。
●ミスを防ぐための効果的な問題の読み方や線の引き方、印のつけかた、チェックの仕方を身に付ける。
●理科では身近な出来事や現象、動植物に関する問題がよく出題されるのでその対策をしっかりと行う。

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